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障害者自立支援法違憲訴訟の和解の結果は [障害者自立支援法]

 

 

障害者福祉の考え方に利用者負担などを持ち込んだ障害者自立支援法は憲法違反ではないかとの訴訟が起こされ、民主党政権時に和解が成立して、新たな法制度が検討されることになりました。その後、障害者基本法の改正、差別解消法の制定など大きな成果を得ましたが、「和解」内容の実施は、自公政権の復権と共に見送られています。その責任は、自公政権と厚生労働省にあるわけですが、現状に対する総括的な検討がなされているのか知りませんので、勝手な思いを羅列したいと思います。

 それは、『弁護士 馬奈木昭雄』という本を図書館でみつけて読んだのですが、そこから裁判の大変さを少し理解したことにもあります。

 

①国連は障害者権利条約の批准を求め、日本では今年になって批准しました。それは、形式的な批准でなく、国内法の整備を伴って実り多い改善を期待したからだと思います。その国際的な潮流の影響と国内の障害者運動の目標はどの程度達成されたのでしょうか。

②「和解」の中心課題の一つの「利用者負担」についてなど、その後「総合福祉部会」での論議で、きわめて広範囲な合意形成がされ、障害者団体の共通認識となるなど大きな成果を残しましたが、「利用者負担」などは残る形になりました。そのことの運動的な成果と裁判で「勝利」したことが現状では活かされていないことを司法対応の課題から見てどういう課題があったのか。今後のために明らかにしたが良いのではないか。されているのかもしれませんが、そんな思いが残っています。

③障害者福祉の現場に民間企業などが参入し、その結果、民間と社会福祉法人との対等な競争という名目で公的負担を減らすための動きが活発ですが、それに対する障害者側の動きが鈍いように感じられます。このまま介護保険との統合という流れが強くなるのではないかと危惧します。

 

 大まかに以上のような問題意識を持っています。既に論議されていたら教えてもらえれば幸いです。選挙で社会保障や障害者福祉がほとんど語られませんが、下記に日本障害者協議会のアンケートに対する回答の一部を引用します。全文はホームページ

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障害者負担の継続は必要な政策なのか [障害者自立支援法]

障害者負担の継続は必要な政策なのか

 

「(声)若い世代 僕たちの将来を考える選挙だ 中学生 15歳

 

 今、国民の約半数は政治に関心を持っていないように見える。今年5月、小平市内の都道建設計画をめぐる住民投票が行われた。投票率が50%未満であれば成立しないという条件が課せられ、35%台に終わった。つまり、約60%は意思を明確にしていないのである。 これは、投票していない人が意見を持っていないからだと思うが、テレビのインタビューで、「投票しないのは反対の意思表示と同じ」と答えていた人がいた。民主主義の選挙とは国民の意見を問うためのもので、明確に意見を出すことが大切ではないだろうか。

 むかし、米国大統領のジョン・F・ケネディ氏が、「自分が国に対して何ができるのかを考えてほしい」といったように、まずは自国の将来を考えることから始めるべきではないか。そうすれば政治に関心をもつ人が増えるだろう。 」(720日朝日新聞)

 

明日は投票日ですが、障害者施策の問題はほとんど問題になりませんでした。

 

「現場発:’13参院選おおさか 障害者の作業所 利用者負担、なぜ残る /大阪」(毎日新聞 20130717日)として、障害者施設の利用料のことを取り上げています。余談ですが、今度厚生労働省事務次官に就任した村木氏のマスコミのトーンは「冤罪から復帰した弱者の味方」とされていますが、負担を求めた障害者自立支援法の中心にいたのが村木氏です。

豊中市の作業所「工房羅針盤」は脳卒中などの病気や事故で脳に障害が残った人たちが利用しているという。

「山河さんは6月、利用者の男性(31)から「利用する回数を減らすかもしれない」と相談を受けた。男性は、交通事故で一時意識不明になり退院後、勤務先を退職。身体的な障害は残らなかったが、物事を覚えることが極端に難しくなった。事故後、妻はパートを掛け持ちし家計を支えるが6月ごろから体調を崩した。男性が週5日間、作業所に通って得られる毎月の工賃1万円に対し、利用料は月約1万5000円。「妻にこれ以上負担をかけられない」と話す。利用料を徴収しないと行政からの運営費も削られる仕組みで、羅針盤は利用者と行政の板挟みとなっている。」

多くの障害者は減免措置の対象になっていますが、中途障害者の場合は、結婚していることも多く、配偶者の収入は減免の対象になっていません。

 

 障害者や世論の強い反発を受け国は09年、自立支援法の見直しに着手し、「いい方向に向かってくれる」と山河さんらは期待した。低所得者への減免措置の対象が拡大され、それまで本人の収入に含めていた同居する親の収入を除外した結果、約9割の人の負担が免除された。しかし、羅針盤の利用者のほとんどは、減免措置を受けられなかった。障害を負う前に親元を離れ結婚している人が多いが、配偶者の収入は除外されないからだ。

 

「◆福祉サービス利用料の利用者負担

 

 

 2006年に施行された障害者自立支援法で、障害者が作業所や介護などの福祉サービスを利用する際に原則1割の本人負担が盛り込まれた。障害者らは「憲法が保障する生存権を侵害している」と訴訟を起こし、政府は10年、同法の廃止を約束して和解した。しかし、同法は廃止されず、サービスの対象を拡大するなどした障害者総合支援法に改正、今年4月に施行された。利用者負担の原則も引き継がれた。」

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民主党政権下で利用者負担については裁判での和解で廃止されることが約束されました。しかし、今の政権は障害者自立支援法と変わらない障害者総合支援法で負担継続を決めた。

 


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「政府は出鱈目 真似しなきゃ」 [障害者自立支援法]

 

通院日。病院まで私の足で20分近くです。病院で血圧を測ると高めになりますので、家での測定記録を持参していることにしています。今日の測定では130だということで家と変わりませんでしたが、少し貧血気味なので検査したらということでした。今日は前回の採血の結果を聞いたのですが、それでまた検査と言うのもすとんと理解はできませんでした。どこか悪いのは年寄りは普通ではないかと思ったりしますが、医師としては放っておけないのでしょうね。帰り道は別の話を思い出していました。

栃木県の鹿沼ほうきのことが放送されていました。掃除機の普及で廃業している人たちが多いが、どっこい残っているのだそうだ。箒の需要が屋外の掃除や掃除以外でも重宝されているのだという。なぜか、ほっとする話でした。

 

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「政府は出鱈目・真似しなきゃ―危機のスペイン」というのは日本のことでなく、スペイン在住の画家・堀越千秋氏の報告です。(西日本新聞)

「スペインは今未曽有の不景気である。ここマドリードの、展覧会やレストランなども空いている。クリスマス・ゾングが流れるデパ ―トも、空いている。冷たい雨まで降っている。失業率25%超。若者のそれは50%超。日本と同じく公約を破って上げた消費税は21%。」

だという。国民の自衛策として次のようなことが盛んだそうです。

「弟のディエゴは、海の見える大平原のまん中に、リサイクルハウス(路傍で拾った廃材で)を作りながら住んでいる。僕と同世代。安レストランで女房イレネが大声で言う。『チアキ、あたしたちゃ離婚したんだよ。離婚した方が税金が安いんだ。毎月100ユーロ2人で200ユーロ得するんだよ。ギタリストのアルベルト達も離婚したよ。みんな離婚してるよ。 もちろん一緒に住んでるさ」「でかい声で言うなよ」 とディエゴが言う。 イレネ「へん!政府が 出鱈目なんだ。あたしたち だって真似しなきゃ」。 手作りのガウディのような彼らのハリボテの家は、僕の理想のお菓子の家である。そのままサンルーカルの港町のフラメンコバルになだれ込んで大いに唄った。』

 

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昨日書きましたが、日本でも障害者自立支援法違憲訴訟の和解で法的に国が約束したことが、簡単に破られました。国家が簡単に嘘をつくということはどこの国でもあります。「政府は出鱈目 真似しなきゃ」ですが、どう真似できるのかという知恵が出てこない。

 

 

 

 


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政府の約束違反から3年・障害者自立支援法違憲訴訟 [障害者自立支援法]

 

昨日、7日は障害者自立支援法違憲訴訟和解の基本合意が政府と訴訟団などと確認されて3年目の節目でした。全国から750名が集まり、「基本合意と骨格提言にもとづく障害者福祉法の実現を あきらめない運動を共に!」という集会が参議院議員会館で開かれました。集会後、16:30から各政党に要請行動。17:00から国(厚労省)に要請。18:00からは記者会見が行われ、ホームページで中継画像が掲載されています。

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基本合意では、障害者自立支援法を廃止して障害者総合福祉法が制定されることになっていました。次のように確約しています。

「一 障害者自立支援法廃止の確約と新法の制定

国(厚生労働省)は、速やかに応益負担(定率負担)制度を廃止し、遅くとも平成258月までに、障害者自立支援法を廃止し新たな総合的な福祉法制を実施する。そこにおいては、障害福祉施策の充実は、憲法等に基づく障害者の基本的人権の行使を支援するものであることを基本とする。」

1割負担は廃止されていませんし、障害者自立支援法は障害者総合支援法になっています。これを新たな福祉法制だと政府はしているようです。しかし、厚生労働省の部会でまとめられた障害者総合福祉法の「骨格提言」はほとんど取り入れられませんでした。

また、65歳での介護保険優先の見直しについても何も措置されていません。

 

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障害者自立支援法廃止はどのように扱われたのか⑧ [障害者自立支援法]

障害者自立支援法廃止はどのように扱われたのか⑧

1割負担の心を理解せよという人

 

オリンピックで体操の内村選手が、能力ではない、努力だと述べていたのには凄い人だと思いました。

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民主党の大島九州男議員の参議院委員会での質問です。

 

「その一割負担が残っているじゃないかというところを言えば一割負担は残っていますよねと。ただ、その一割負担が残っているその理念は何なのかと。それは、低所得者の皆さんが少しでもその負担をしなければならないときに、この最低金額と言われている定額の九千三百円とか三万七千二百円のその定額まで達しない人にはまあ使った分だけの一割の負担をしていただこうという、そういう心で入れている一割負担のところが、いかにも、何か今まで障害者自立支援法で一割負担なんだと、この一割負担はよくない、その一割負担残っているじゃないかというふうに言われれば、それは確かに残っていますけれども、残っているその心は何なのかということをやはり私たちはしっかり説明をさせていただかなければならないなというのをつくづく感じているわけです。

 光の当て方で、一割負担が残っている、一割負担があるじゃないかと言われれば確かにあるけれども、その理由はこうですよという説明をすればお分かりいただける方はたくさんいらっしゃるんですね。」

 

1割負担というのは低所得者に対する配慮だと言いたいのでしょうか。

では、違憲訴訟での政府と原告団の基本合意にはどう書かれているのでしょうか。

「基本合意文書」

「国(厚生労働省)は、速やかに応益負担(定率負担)制度を廃止し、遅くとも平成258月までに、障害者自立支援法を廃止し新たな総合的な福祉法制を実施する。そこにおいては、障害福祉施策の充実は、憲法等に基づく障害者の基本的人権の行使を支援するものであることを基本とする。」

(障害者自立支援法、とくに応益負担制度などが)障害者の人間としての尊厳を深く傷つけたことに対し、・・心から反省の意を表明する」

とあり、1割負担での低所得者への配慮を求めているのでなく、廃止とされています。

さらに、骨格提言では

「【表題】利用者負担

【結論】

○ 他の者との平等の観点から、食材費や光熱水費等の誰もが支払う費用は負担をすべきであるが、障害に伴う必要な支援は、原則無償とすべきである

ただし、高額な収入のある者には、収入に応じた負担を求める。その際、認定する収入は、成人の場合は障害者本人の収入、未成年の障害者の場合は世帯主の収入とする。

また、高額な収入のある者の利用者負担については、介護保険の利用を含む必要なサービスの利用者負担を合算し、現行の負担水準を上回らないものとすることが必要である。」

として、1割負担の上限の歯止めにしているからいいのだという大島議員の説明は二つの文書の趣旨とは違います。二つの文書とも原則廃止であり、高いからどうのというのでなく、費用がかかっているのだから払えという障害者の尊厳を傷つける行為だと述べているのです。明らかな問題のすりかえのように見えます。

 

 


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障害者自立支援法廃止はどのように扱われたのか⑦ [障害者自立支援法]

障害者自立支援法廃止はどのように扱われたのか⑦

障害者と市民との公平性・公正性とは

 

応益負担についての問題点として茨木尚子氏は次のように指摘しています。

 

「サービスにかかる費用の自己負担については、介護保険と同様に、利用者への一割『応益負担』を課した制度で あったため、重度の障害のために必要なサービスが多い人ほ ど、負担が重くなることとなった。障害者には、生活のほぼ すべてにわたって介助が必要な人がいるが、自立支援法はこういった最重度の障害者の必要支援量を保障しないだけでなく、支援量に応じて定率の自己負担を生涯にわたって強いるものであったため、多様な支援を受けながら、社会参加をめざす重度障害者の日常生活の営みそのものを侵害する結果を もたらすこととなった。食事をする、排世をする、移動する という、生きていくために必要不可欠な日常的活動に支援が必要な人がいて、その支援を「益」として、その生涯にわたり負担を強いる制度が導入されることになったわけである。

このことについて、制度設計した(厚生労働省)は、障害のない市民からみた「公平性」「公正性」の確保のために必要不可欠と説明し、多くの障害当事者団体からの反対があったにもかかわらず、支援費制度は廃止され、新たに自立支援法が施行され、ほとんど準備期間もない状況で実施されていく。」(障害者制度改革路 なぜ「頓挫」したのか? 世界2012年8月号)

 

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障害者以外の人から見れば公平でないというのが厚生労働省の考え方です。応能負担にして解決したと民主・自民・公明は主張しますが、今の法律でも収入に応じて1割負担できるとしています。世論かわしの発想であり、今も、1割負担を意図していることが、衆議院の委員会での質疑でも明らかです。

 

「○西村副大臣

 障害福祉サービス等の利用者負担についてでございますが、平成二十二年の四月から低所得の障害者等の利用者負担を無料として、実質的に応能負担とすること、平成二十二年十二月に成立した障害者自立支援法等の一部改正法により、応能負担であることを法律上も明確にすること、同じく一部改正法で、障害福祉サービス等と補装具の利用者負担を合算し、負担を軽減する仕組みを導入することといった取り組みを行っております。 そして、利用者負担額を算定するに当たっては、障害者本人とその配偶者のみの所得で判断する仕組みとしております。配偶者につきましては、民法上、扶助義務が課せられていることなどを考慮いたしまして、負担上限月額を算定する際の対象としているものでございます。利用者負担に係る収入の認定に際して配偶者の収入を考慮に入れないということになりますと、財源の確保状況や、医療や介護などほかの制度との整合性、公平性も踏まえた国民的な議論が必要であるというふうに考えておりまして、引き続き検討してまいりたいと思います。」として、医療や介護を意識した制度であることが述べられています。

さらに、政府委員は

「○岡田政府参考人

 障害者自立支援法と介護保険法の適用関係につきましては、障害をお持ちの方につきましても、他の、障害をお持ちでない方と同様、四十歳以上になれば介護保険料を支払っていただくとともに、サービスの利用に当たっては、現在の社会保障制度の原則であります保険優先の考え方のもと、まず介護保険制度に基づく介護保険サービスの利用をしていただくということになっているところでございます。 ただし、介護保険サービスに相当するものがない障害福祉サービス固有のサービスと認められるものを利用する場合であるとか、市町村が適当と認める支給量が介護保険サービスのみによって確保することができないと認められる場合には、障害者自立支援法に基づくサービスを受けることも可能になっているところでございます。 いずれにしましても、介護保険優先の原則の廃止につきましては、介護保険制度におきます負担と給付の考え方、障害者とそれ以外の方との公平性、給付に係る財源のあり方などを含め、総合的かつ慎重な検討が必要であるというふうに認識しているところでございます。」

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介護保険と障害者総合支援法では異なるのは公平でないというのが、政府の認識です。あくまでも、介護保険に合わせないと国民の中に不公平が残る認識です。

 

 


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障害者自立支援法廃止はどのように扱われたのか⑥ [障害者自立支援法]

障害者自立支援法廃止はどのように扱われたのか⑥

制度の谷間はなくなるのか

 

障害者総合福祉法に向けての「総合福祉部会」の「骨格提言」は次のように述べています。

総論的に

(2)谷間や空白の解消

これまで日本の障害者施策は、身体、知的、精神といった障害種別ごとに体系化されており、機能障害、疾患名等で制限列挙しているため、そこから除外され、支援から除外される障害者(いわゆる制度の谷間の障害者)を生んできた。また教育、福祉、就労、医療など制度問の空白の問題も多く、新たな法律ではこの谷間の障害、制度間空白を解消するシームレスな支援をめざすものとした。」として、さらに

「谷間の障害者をなくすことについては、本部会の総意であることは論を待たないところであるので、障害の種類、軽重、年齢等に関わりなくという文言に、その趣旨を込めている。これは、法の下の平等を実現するためにとりわけ重要な要素である。なお、上記の障害の種類、軽重、年齢等の等には、入院中、入所中、刑事施設、入管施設、その他の施設も含まれる。 なお、これまで谷間におかれてきた障害者は制度から除外されてきたために必要な支援内容の開発が十分ではない。そのため、発達障害、高次脳機能障害、

難病、軽度知的障害などのある人たちのニーズを当事者参画のもと明らかにし、必要な人が必要な支援を得られるようにサービス内容の拡充を行う必要がある。」

とありますが、障害者総合支援法の厚生労働省通知は次のように述べています。

 

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「⑵ 制度の谷間のない支援の提供

旧法に規定する「障害者」の範囲は、身体障害者、知的障害者及び精神障害者(発達障害者を含む。)に限られていたが、障害者総合支援法においては、これに加えて、政令で定める難病等により障害がある者を追加することとしたこと。」とあり、「骨格提言」とは相当距離があります。

 

衆議院委員会での民主党の質問です。

「○水野委員 おはようございます。民主党の水野智彦でございます。(()

 民主党は、実は、政権交代の、この前の衆議院のマニフェストで、障害者自立支援法を廃止して新たな障害者総合福祉法をつくるということで、私たちも選挙を戦ってまいりました。そこには、制度の谷間もなくということも含まれて、いろいろなことを我々も有権者の方々にお話をしてきたところでございます。

 その後、二十二年の一月の違憲訴訟弁護団の方と国との基本合意文書や、平成二十二年の六月には、閣議決定された「障害者制度改革の推進のための基本的な方向について」でも、障害者自立支援法の廃止、新法の制定が示されたところでございます。

 我々、障がい者ワーキングでも、我が国の法体制の中から障害者自立支援法というものをなくすということで意見の集約をしてまいったところでございますけれども、これまでの改正自立支援法の中で、応益負担が応能負担になったりという対応策も既に四月一日から行われておるところでございますけれども、今回の新法は、自立支援法にかわる新しい法律であると考えておりまして、民主党マニフェストや今までの閣議決定、基本合意に沿ったものである、そういうような理解でよろしいのかということをまず大臣に冒頭お聞きしてみたいと思います。よろしくお願いします。」として、その後の質問でも、難病が含まれてよかったという意見を述べています。難病の範囲については今後どのようになるかでこの評価も大分変わる可能性があります。

 

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こうした流れの中で、身体・知的・精神・難病・発達という新たな枠組みが作られる可能性があり、従来の医学モデルによる列挙方式の変型になる可能性が高く、その点を少しでも枠を拡大するための取り組みが必要です。当面は、難病の範囲がどの程度になるか。漏れが出てこないかなど、そうした取り組みが必要だと思われます。

 

 


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障害者自立支援法廃止はどのように扱われたのか⑤ [障害者自立支援法]

障害者自立支援法廃止はどのように扱われたのか⑤

「可能な限り・・・」権利条約との抵触を避けたのか?

 

1.    法改正でなく新たな法律だと言い張る

 

厚生労働省の自治体への通知では法改正の趣旨について次のように記されています。

 

障害者自立支援法に代わる障害者総合支援法の制定

障害者自立支援法(平成17年法律第123号。以下「旧法」という。)に規定していた法律の目的を変更し、改正障害者基本法を踏まえた基本理念を新たに設け、法律の名称を障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(以下「障害者総合支援法」という。)としたこと。」として、新しい法律であると強弁しています。

 

2.    応能負担にしたと言うが

 

自民党の松本議員から、どうみても障害者自立支援法改正ではないかと指摘された政府答弁では

「○西村副大臣 

先ほど大臣が答弁されましたとおり、今回の法案は基本的には新法でございますが、障害者自立支援法については、御指摘のとおり、いわゆる支援費制度の問題点を抜本的に改正したものであり、サービスの利用者は着実にふえ、サービス基盤の整備も着実に進んできているものと考えております。 一方、障害者自立支援法の施行とともに導入されたサービスに係る定率負担について、障害が重くサービスの必要度が高い人の負担が重くなるといった問題点があったということも認識をしております。 こうした障害者自立支援法について、これまでも、最大の問題であった応益負担を応能負担とするなど、与野党協力して見直すべき点は見直してきたところでございます。 今般、さらに、障害者基本法の改正もございましたので、これも踏まえつつ、理念規定の創設、目的規定や法律の名称の変更等を行って、社会の側への働きかけを強化いたしまして、共生社会の実現を図る法律へと転換を図ることにしたものでございます。」

政府答弁の問題は

    応能負担としながら「利用者負担については、「家計の負担」を前提とした応益負担の仕組みが残されたままで、基本合意で当面の重要課題とされた自立支援医療制度の解決も見送られている。」(きょうされん声明)というように制度としては何も変更されていません。

    今回の法律制定が「基本合意」と「障害者権利条約」と国内法との整合という意味があるのに政府答弁では一切ふれていません。

3.「可能な限り・・」というのは

 

「基本理念」(平成25年4月1日施行)では次のように法定化されています。

「第一条の二

障害者及び障害児が日常生活又は社会生活を営むための支援は、全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するため、全ての障害者及び障害児が可能な限りその身近な場所において必要な日常生活又は社会生活を営むための支援を受けられることにより社会参加の機会が確保されること及びどこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと並びに障害者及び障害児にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものの除去に資することを旨として、総合的かつ計画的に行わなければならない。」

と、障害者基本法で多用された「可能な限り・・」というのは障害者権利条約を意識した逃げ道だと思われます。参議院での委員会で社民党の福島瑞穂議員は次のように指摘しています。

「○福島みずほ君 基本法の改正案にもありましたが、一条の二の「可能な限り」は削除すべきではないでしょうか。これは最大限ということでかつて津田政務官からあったんですが、最大限努力すると規定すればいいわけだし、こういう権利条項のときに、できる限りとかいう、最大限男女平等を実現するなんというのは聞いたことがありませんので、これは削除すべきではないでしょうか。

○大臣政務官(津田弥太郎君) 前回も福島委員の問いにそういうふうに答えたわけでございますが、この可能な限りという文言を用いた趣旨、これは、昨年の改正障害者基本法の審議で基本的な方向に向けて最大限の努力をするという趣旨でこういった表現を使っているとの答弁がなされたことなどを踏まえて書かせていただいているわけでございます。」

ここでは、最大限努力するのだと言いながら「可能な限り」として政策的な判断の幅を自由にしておきたいと思惑が見て取れます。福島議員が指摘するように、障害者基本法の改正法にも入れています。 最大限努力するというのなら、そのまま入れるべきだと思いますが、

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障害者自立支援法廃止はどのように扱われたのか④ [障害者自立支援法]

障害者自立支援法廃止はどのように扱われたのか④

「障害者総合支援法」という名の「弱者切り捨て法」

昨日も暑かった。今夏、まだ、エアコンを入れていませんでしたが、昨日は1時間程度入れました。

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雑誌『世界』8月号の「編集後記」で清宮美稚子氏は次のように「障害者自立支援法訴訟の基本合意の完全実現をめざす会」が緊急集会などについて書いています。

「六月一四日、参議院議員会館前の路上では、この日も「障害者自立支援法訴訟の基本合意の完全実現をめざす会」が緊急集会を聞いていた。全国から集まった障害者の方々を中心に、次々にマイクを手に取ってメッセージを絞り出していく。 「国会へこの何年も毎年二回以上こうやって来て、マイクを握っています。 障害者の多くは、一般就労ができず、安い障害基礎年金では生活ができず、生活保護を受けている障害者はたくさんいます。それを、どっかの芸能人のことを引き合いに、あたかも福祉を使うことが犯罪のようなことを、国会で平気で言う議員たちに、私たちの将来は預けることはできないと僕は思っています。障害者がお荷物扱いされたのは、戦争の前でした。ごくつぶし、米くい虫と言われて、障害者が命を取られた時代でした。今の国会はまるで太平洋戦争前の日本のようです。弱い者を切り捨てる、国会の中にいる多数の議席を持っている人たちに私たちが負けたら、この日本がまた戦争に行くような気がして怖くてたまりません。」(きょうされん高知支部の松本誠司さん)

結局、「障害者総合支援法」という名の「弱者切り捨て法」は、六月二O日、参議院本会議で可決、成立した。前日の参議院厚生労働委員会では、趣旨説明(四分)と質疑合わせてわずか三時間で採択されたという。財源論を盾に「応益負担」の枠組みが温存されるなど、障害者政策の明らかな後退となった(本号茨木論文参照)。二六日には、「社会保障・税一体改革関連法案も衆議院本会議で可決したが、自民党案丸呑みで、消費増税だけが先行し、「後期高齢者医療制度の廃止」が撤回されたのをはじめ、社会保障制度改革は先送りされることとなった。」(以下略)

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国会審議に合わせて全国から国会議員会館前に集まり、「慎重な審議」を求めました。多分、「慎重な審議」でなく抗議行動としたかったのかもしれません。でも、「慎重な審議」ということだったら、多くの障害者団体が一致できるのではないかと思いがあったのではないかと想像します。趣旨説明(四分)という異様な法案が障害者自立支援法にかわる新しい法律だといえるでしょうか。

しかし、政治による分断で熱心な活動も及ばず局面を変えることができませんでした。『世界』で茨木尚子氏は、骨格提言の後の政権側の動きについて次のように指摘しています。

20118月末に提出された骨格提言は、九月に推進会議での承認を経て、推進本部に送られた。民主党ワーキング チームにおいて、新法案にむけての検討が開始されたが、彼らはその後、障害者、事業者、自治体などに対して、骨格提言について関係団体の個別ヒアリングを数カ月にわたって行った。実施する自治体などに具体的に法案について意見を聞

くことは重要なことではあるが、骨格提言の内容をワーキングチームで詳細に検討し、これにそった法案を示すことではなく、多くの関係者に「骨格提言についてどう思うか」「自立支援法についての評価はどうか」という聴き取りに時間を 費やしていく姿勢に、民主党への疑問と不信が募っていった。 民主党政権によって招集された部会委員によって骨格提言 に至る道筋は、それぞれの障害種や当事者、事業者の立場を越えて、いかに共通の新法の骨格を創り上げていくかという ことであった。それを民主党ワーキングチームは再び、個々 の要望や要求を挙げさせて、どのような結論を導きだそうとしていたのだろうか。部会三役として、何度かそのヒアリン グを傍聴する機会があったのだが、そこには、違いを乗り越えてまとめたものを、再び差異を鮮明にして、障害当事者側を分断していこうとするような意図さえ感じられた。」とあります。自民党議員からは内閣府の政策委員会メンバーに障害者自立支援法に反対した人があることを問い詰めるという、意見の違いさえ認めない主張がなされました。

こうして、最終盤の路上集会が局面を打開するということはなかった。「弱者切り捨て法」

が誕生してしまった。

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障害者自立支援法廃止はどのように扱われたのか③ 程度区分見直しも先延ばし [障害者自立支援法]

障害者自立支援法廃止はどのように扱われたのか③ 程度区分見直しも先延ばし

 

今朝、散歩していたら虹が出ました。日の出の時間と重なっていたのでそれとの関係か、雨も降っていないのにと不思議に思いました。

 

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前回の続きです。「障害者制度改革路 なぜ「頓挫」したのか?」(茨木尚子・世界8月号)では「総合福祉部会で一年半かけて策定した骨格提言をほとんど 反映していない自立支援法一部改正による新法は、20138月に施行予定となった。その後、三年かけて、本来新法 で掲げるべき新たな支給決定の仕組みや、就労支援、長時間介護のあり方が検討されることになるはずである。」特に、支給決定の仕組みというのがあります。これは受けられるサービスの上限を決めるものです。しかし、受けられるサービスが増えても、負担があります。軽減措置があると言いながら、法的にはいつでも1割負担が可能なようにされています。支給決定では、体の動きに支障がないかなどをパソコンでの一次判定があります。そうすると、知的障害者や精神障がい者に適合しないという不満が強く出されていました。元々の判定基準が介護保険をベースにしているからです。

茨木氏は続けて「一体厚労省は、障害者福祉の目標をどこに置いているのだろうか。生きることに必要な支援を「益」としてとらえ、障害の重い人ほど負担が重くなる仕組みを導入したことへの反省の念はそこには全くみられない。骨格提言を提出後、ある自治体で障害者やその家族に対して提言についての解説をした際、一人の知的障害者の親御さんがこう言われた。「骨格提言の内容は素晴らしいと思うけれど、この先、地域でわが子がずっと暮らせる世の中が来るとは思えない。私も年を取り介護が必要になることを思うと、親の支援が必要なわが子と一緒に入所できる老人施設があればと思う」。これが地方の障害者とその家族の置かれた現実なのであろう。障害のある人も、介護が必要な高齢者も、暮らし続けることが困難な地域社会がそこには存在している。」

ところが、今回の障害者総合支援法では支給決定のプロセスの見直しというのが決まりました。

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図のようなフローになり、点線枠の中にある「サービス等利用計画案の作成」が追加され、「支給決定時からケアマネジメントを実施」とあります。この流れは介護保険と同じ流れになっています。政府・官僚は介護保険との統合をすることを前提に外堀を埋めています。

厚生労働省幹部は国会で、障害者だけが特別な扱いでは困るという趣旨の発言をしています。総理大臣が障害者の尊厳を傷つけたという謝罪をして2年経っても何も官僚には反省はない。何を国民が言おうとも聞く耳はないということだろうか。

 

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